ワーママのアメリカと日本の子育て

弁護士の子育てサバイバル日記

ボーゲル塾

”Japan as No.1"という本を執筆したボーゲル先生が、日本人のためにボストンで私塾を開催している。このボーゲル塾は、別名ハーバード版松下村塾とも言われており、ボーゲル先生は、留学を終えた日本人学生が、日本、そして世界を変えるような人材となることを願い、ご好意で自宅を開放してくださっている。

 

「日本を変える」「世界に変化をもたらす」といったフレーズに弱い私は、迷わず入塾することにした。ボーゲル先生のご自宅は日本の民芸品でいっぱいで、先生の穏やかなお人柄ともあいまって、私塾というよりは、民芸館の館長と、ゆっくりとした時の流れの中でお話ししているような気分になる。

 

例えばアフリカ経済について、今は中国の影響力が強く、日本は後手に回ってしまっている、というトッピクの中で、「中国が先にアフリカに進出しているように見えるけど、実は戦後すぐ、JETROがアフリカに事務所を設立している。何でだと思う?」という質問があった。

 

私には戦後すぐの日本が遠いアフリカでビジネスをするとは思えず、戦地から帰国できなかった日本人がアフリカにたどり着き、自分が欲しい日本製品の輸入でも始めたのかな…などとよくわからない想像をしていた(これは今私がボストンでそう考えているからに違いない、、、日本製品はちょっとしたところが本当に素晴らしいので、もっとマーケティングしたら売れるはず!)。

 

正解は、当時の日本は技術力に自信がなかったため、アメリカやヨーロッパではなく、アフリカで日本製品を売る戦略を立てていたからだそうだ。

 

今の日本は、技術力の高さを生かした効率的な援助や、他の国ではできないようなニッチな分野のプロジェクトで、競争力をあげている。このような、短距離走でぶっちぎり一位的な速さの日本の歴史を振り返ると、2番手3番手になっている現状に押し潰されるのではなく、この70年でここまできたのだから、次の70年ではどんなことができるだろう、、、と考えるようになり、何だかワクワクした気分になった。

 

また、アメリカについても知識が深まった。トランプ大統領に対する批判が大きい中、それでも普通に政治が回っていることがとても不思議だったが(特に円安どんどん進んだことが驚きだった、、、というか、授業料はドルで一括払いだったので、大変大変迷惑だった笑)、大統領の存在を超えるアメリカの強いcivil societyについて解説してくださり、単に棍棒振り回しているイメージだったアメリカの強さの定義が、私の中でがらりと変わった。

 

そしてこのボーゲル塾は、バスケ好きの夫と息子にとっても素晴らしい存在で、ボーゲル塾は夜に開催され私の帰宅が遅くなるため、2人でボストンセルティックスのゲームをフルで楽しめる(普段だと、チケット高いからだめとか、寝るのが遅くなるからだめだとか私がぶちぶち言う)。

 

ボーゲル先生に感謝!