ワーママのアメリカと日本の子育て

弁護士の子育てサバイバル日記

スーパーヒーロー

シカゴはまだ8月だというのに、肌寒くなってきた。もう夏が終わってしまうのだろうか。短すぎる、、、職場の同僚に「寒くなってきたね」と言ったら、なに言っているんだこいつ、hotとcoldを言い間違えてるんじゃないか、みたいな顔をされたけれど(笑)。シカゴ人的にはまだ暑いのかな。

 

11月の大統領選に向けて、コロナ問題がますます政治色を帯びてきた。アメリカが他の国に比べてコロナを抑えきれていないのは色々な理由があると思うが、政治問題化しすぎて、客観的に事実を見れなくなってるからな気がするこの頃。

 

バスケや野球部の無観客試合が始まって、「同じ動画でも過去の動画じゃなくて新しい動画を見られるのはいいことだ」とこれまた同僚が言っていたが、夫に連れられてNBAの試合に行ったのももはやセピア色の思い出。かなり昔のことな気がする。最後に行ったのは、ワシントンの八村選手がシカゴにきてブルズと戦うという試合だった。ちなみにワシントンウィザーズは、マイケル・ジョーダンが最後にプレーしたチームなので、息子も大好きだ。試合自体の注目度は高くないため、チケット代がそこそこお手頃で、でも日本人的には一度は八村選手見ておきたいし、ということで狙い目の試合だった。

 

が、直前に期待の八村選手がなんとも言えない怪我をしてしまって、出場できないことに。ワシントンウィザーズのベンチの真後ろの席だったのに!!

 

試合は時間どおりに始まったが、八村選手の姿はどこにも見当たらない。そして気付いてしまったのだが、ベンチに近い席は、コートとほぼ同じ高さなので、試合が見にくい。というか、全然見えない。だってベンチの選手が立ち上がって壁を作っているから。選手って、あのNBAの選手です。背が高過ぎて、ちょっと席から腰を浮かせても意味ないし、何なら立ち上がったとしてもコートは見えない。

 

そこに、、、なんと現れました、私服の八村選手!かっこいい!!でっっっかい!!!

 

八村選手のユニフォームを着た息子を夫が掲げてアピールするも、彼には届かず。我が家だけではなく、ベンチ近くの席はめずらしく日本人だらけで、みんな日本語話していたし、気づいたと思うんだけどなーー。夫曰く、振り向かない八村選手は本物のスターっぽいとのこと。が、私の観察によれば、八村選手、ずっとお菓子食べてた(笑)

 

そんなとき、静かだけれど本人なりに目力で猛アピールしていた息子に、次のタイムアウトかなんかで出るためにベンチ脇で軽く体を動かしてアップしていたウィザーズの選手が気付き、息子にグーでタッチしてくれた。すみません、名前は覚えられなかったのですが、背が低いけれど俊敏な動きをする素敵な選手です。しかも、"Arigato"と言ってくれた!!

 

というわけで、私のミーハー精神は完全に満たされて、ゆっくり試合を(直接ではなく)スクリーンを通じて観ることができた。

 

今回はシカゴブルズいい感じで、特にラビーンからリーダーのオーラがむんむん出ていた(やはりスクリーン通じてだけど(笑))。負けると思っていたときに一本入れる、そして流れを変えて勝利に持っていく。一本のシュートってたった2点何だけれども、彼の一本は2点以上の価値がある。スラダンでも木暮さんの一本はよかったなぁ。なお、八村選手は、スラダン読んでないらしい、、、驚き!

 

コロナ禍の中、リーダーシップが説かれる機会が多くなっているが、ラビーンのようなリーダーシップは、なかなか現実世界では難しいだろうか。バスケと違ってみんな同じルールに従っていないからなぁ。

 

例えば、女性のリーダーの国におけるコロナ対応が注目されたりしているが(これは議論あるところだと思うので、「女性だから」という側面を強調しすぎるのはよくないとは思うが、世界の中の女性リーダーの数の少なさにびっくりした)、ケネディスクールの教授が卒業生向けに行ったウェビナーに「スーパーヒーローにみるリーダーシップ」というのがあった。

 

想像どおり、教授はヒーローものが大好きなようで、スーパーヒーローのTシャツを着ていた。スーパーヒーローの物語はフィクションで、現実には起こりえないことだけれども、子どもの頃から、私たちは彼らの物語を見て善悪を学んでいくし、価値観に影響を与えている。なぜなら、フィクションだからこそ、価値観を揺さぶるような場面を設定することができ(自分の大切な人一人を助けるべきか、10人の子どもを助けるべきか、など)、そこで根本的な問いとヒーローを対面させる。ヒーローとしてのリーダーシップがここに現れる、ということらしい。

 

息子に教えてもらうまで、全くヒーローものを知らなかった私としては(日本の仮面ライダーくらいなら聞いたことあったけれど、アメリカのヒーローは、スーパーマンとスパイダーマンが違う人であることすら知らなかった)、あまりすっと入ってくる講義ではなかったけれど、ヒーロー物語の場面設定は、ハーバードのサンデル教授の問題提起と似ていて、子ども用と思っていたヒーローものも、結構深いなぁ、だからずっと人気あるんだなぁとしんみりした。今のコロナの状況も、言ってみれば誰も想像していなかったような、価値観を露わにする異常な場面設定ではある(だからこそ、今までもあったBlack Lives Matterの運動が今回盛り上がりをみせたのだろう)。

 

が、息子にせがまれて読むヒーロー系の絵本たち、、、全部ほぼストーリー一緒に見えますけど。ヒーローの種類多過ぎて覚えられませんけど。その割には、ちょっと女性少なすぎじゃありませんか。。。

 

息子もついに、「何でいつもヒーローが勝つの?おかしくない?」と。疑問を持つことは大切ですね。