ワーママのアメリカと日本の子育て

弁護士の子育てサバイバル日記

Jaywalking

横断歩道で子どもと一緒に信号を待っていたら、自動車が目の前で止まり、「先に渡れ」と手で合図された。歩行者用の信号は赤なのだけれど、周りの車がみんな私たちが渡るのを待っているので、息子とダッシュで横断歩道を渡った。

 

こんなことはよくあり、ボストンでは信号があまり機能していない。みんな実質的な意味(?)を解釈して、自由に渡っている。車が来てなければ赤信号でも渡るし、赤信号でも子ども優先で自動車が止まり、先に親子が横断歩道を渡る。英語ではJaywalkingというらしいが、言ってみれば単なる信号無視。けれど、何となく善意で成り立っている。

 

信号待ちというのは人をイライラさせがちで、信号が設置されている場所ほど交通事故が多いというデータもあるようだ。そもそも人は待つということが苦手で、例えばエレベーターの待ち時間も、たった30秒でも体感としては2分ほど待っているような感覚らしい。

 

子どもがいると、「待つ」ということが増える。子どもが朝ご飯を食べてくれるまで待つ(下手に手伝うと怒る)、子どもが着替える気分になってくれるのを待つ(空気を読み間違えるとかえって悲惨)、子どもが靴を左右間違えて履いていることに自分で気付くまで待つ(こちらが指摘すると怒る)、、、3歳でも自分のペースというのがあり、概して大人とは全く異なる時間配分のため、急かしたくなることが多いが、とにかくひたすら待つのが近道だったりする。

 

こんな「待つ」時間を、楽しい時間に変えることができたら。。。

 

ビジネススクールの授業で、以下のDancing Traffic Lightのケースを扱った。

これは、信号の人のマークが、赤信号の間ダンスするというもの。そして、そのダンスは、街中に設置されたボックスで実際に人が踊っている形を形どっている。毎回違うダンスを眺めながら、赤信号を待つことができる。

赤信号の時間、交差点で信号と合わせて一緒にダンスする人、笑いながら眺めている人、ダンスボックスで踊る人、そこに並ぶ人、、、赤信号から会話が生まれ、離れた場所にいる人と人が交じり合う。待ち時間が長い方が楽しい、そんな意識の変革。

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エレベーターの待ち時間も、鏡ひとつ置くだけで、人は待ち時間を短く感じる。

 

子育ての「待ち時間」も、もっと素敵な時間に変えられないかな、、、と思っていたところ、ちょうど保育園でもらったパンフレットに、「人間は大人になっても学び続けるものです。子どもに何かを教えるのではなく、子どもからも学ぶという姿勢でいましょう。子どもを観察している時間、子どもと話している時間に、新たな学びがあるはずです。」という記載があった。「子どもを待っている時間」ではなく、「子どもから新しいことを学んでいる時間」、そう考えるだけでちょっと高尚で(笑)素敵な時間に思える。

 

もちろん現実は、そんな教科書どおりにはいかないけれど、子どもを待っている間携帯電話をチェックするのではなく、お互い忙しい中で子どもが作ってくれた子どもと向き合う時間と考えるようにしよう、と思った授業だった。

 

が、何かもっと楽しいアイディアを考えついたら、起業しよっと(笑)。