ワーママのアメリカと日本の子育て

弁護士の子育てサバイバル日記

アメリカの政治

アメリカのテレビを見ていると、政治系のコマーシャルが多い。選挙関係のものもあれば、軍隊を讃えるものもある。Youtubeのコマーシャルにまで進出しているから、気付かないうちに子どもが洗脳されないか心配になるくらいだ。

 

今年は中間選挙もあったので、せっかくなのでケネディスクールでstudy groupに入り、選挙制度に関わる役人、政党のメンバー、政治記者、NGOなど、いろいろな角度から選挙に携わっている方からお話を伺った。

 

例えば、期日前投票。アメリカはSuper Tuesdayといって火曜日に投票する伝統があるため、平日仕事などがある人にとって、期日前投票は重要だ。が、この制度が黒人差別に利用されている。統計的に、期日前投票の期間が長いほど黒人の投票率は上がり、白人の投票率は下がるかあまり変わらない。だから、期日前投票の期間をなるべく短くする法案を通す。

 

投票率を上げるために色々な提案がなされているが、それが実現しないのは、政党が次の選挙の票読みを正しくできるようにするため。投票率が上がると、データベースに載っていない人たちが投票するため不確実性が増す。わざわざ仕事を休んで投票しても何も変わらない、むしろ1日仕事を休むと明日食べるものに困る、という状況のマイノリティには、民主党支持者が多いと言われているため、特に今の共和党政権にとっては死活問題だという。

 

NY Timesの政治記者は、2016年の大統領選の結果を読み違えていたことをこう振り返っていた。

 

「私はトランプが大統領になることはあり得ないと思っていた。それが合理的な判断だと思っていた。でも、それに反対していたのは女性記者たちだった。彼女たちは、女性が大統領になる方が、トランプが大統領になるよりも難しいと考えていた。」

 

ヒラリーが当選しなかった理由は色々と論されているが、女性や黒人などマイノリティに対する視線は、日本で考えていたよりも過酷だった。

 

トランプ政権には批判が多いが(new level of stupid、つまりブッシュが史上最悪だったはずだが、トランプというカードが残っていた、などと揶揄される)、いいところもあり、例えばトランプ自身がお金持ちであること。政治資金の規制に関わっている方は、トランプ政権になってから大分楽になったと笑っていた。

 

2018年の中間選挙の結果は、様々な「はじめて」があったことが注目されているが、印象的だったのは、「ブルー(=民主党の色)がより濃いブルーになった。そして、紫色(共和党の色は赤)の州の数が増えた。」という分析。アメリカでの二極化がますます進んでいるように思われた。

 

中間選挙後円高が進むのではと期待していた私の目論見は見事打ち砕かれたが笑、アメリカのDemocracyって何なんだろう、Diversityって何なんだろう、と色々と考えさせられた出来事だった。