ワーママのアメリカと日本の子育て

弁護士の子育てサバイバル日記

子連れプエルトリコ~その②

プエルトリコでは、シェラトンに宿泊したのだが、ちょうどクリスマスだったので、ホテルでもイベントがあった。

 

ディズニーとの権利関係がどうなっているかよくわからないが、「ラプンツェルがきます」というので行ってみると、もういなくなっていた(笑)。滞在時間多分5分以下。きっと他のホテルにでも回るのだろう。

 

Frozenのミュージカルというのもあり、Frozen 1とFrozen 2をあわせたストーリーだったが、全てスペイン語。Let it goではなくLibre soy♪と歌う。。。わからん、、、が、横で息子もつられてスペイン語で歌っている!!さすが柔軟。というか、気温30度のプエルトリコでFrozenなんて、子どもたちは雪国のクリスマスを想像できるのだろうか。まぁできるんだろうな(笑)

 

気温30度といっても、意外にプールに入ると寒い。私はそそくさと退散してしまった。が、息子が「hot water」と言っていたので何かと思えば、なんと温水ジャグジープール。なんだか日本っぽいじゃん!と興奮し、ずっとそこにいた。アメリカはシャワーしかなく湯船にしばらくつかってなかったので、極楽~!ほぼ毎日楽しませていただいた。

 

ジャグジーでくつろいでいると、プエルトリコ人で今はニューヨークに住んでいるが、クリスマスで戻ってきたという人に話かけられた。プエルトリコ人で、わざわざシェラトンに泊まるの珍しいなと思ったら、「観光客みたいなことを一度やってみたかった」とのこと。プエルトリコはこんなに暖かいし(シカゴだけでなくニューヨークよりも断然)、自然もいっぱいだし、何でわざわざニューヨークに?と聞いてみると、「狭くて、ただただ抜け出したかった」と言っていた。東京出身の私には完全には理解できないけれど、先が見えちゃうというのはつまらないのかな。とはいえニューヨーク暮らしは疲れるらしいが、そんなときはプエルトリコに帰ってくればいい。実はなんとも理想的な暮らしかも!とも思ったが、プエルトリコの経済の弱さ、社会の小ささが彼には耐えられないらしい。

 

ちょうどそのジャグジーの横にキッズプールがあり、上から滝のように水が落ちている。子どもたちは思い思いにじゃれて遊んでいたのだが、小学校高学年くらいの男の子が現れた。

 

彼は坊主頭で、まるで修行僧のように滝の下で水に打たれていたのだが、ずっと打たれていると痛いのか、時々体制を変えるのが見ていて微笑ましかった。なお、突然何か思い立ったのか彼は急に姿を消したのだが、ゴーグルを持って再登場した。目が痛かったんだろうな(笑)

 

そして、そのお兄ちゃんがいなくなるまでずっと黙って静かに遠巻きで、滝にあたる場所の順番を待ち続ける息子。修行僧の修行はなかなか終わらなかったが、ついに順番が回ってきたかと思いきや、他の子に先に越されるという始末。こういうところ、私っぽいなぁ。興味はあるけど、なかなかいけないんだよな。

 

結局次の日だったかに、誰も滝のところにいない日があって、いざ!といわんばかりに滝に進んでいくかと思いきや、今度は水が怖いらしい(笑)。ぐちゅぐゅしていても仕方ないので、私も息子と一緒に滝に入ってみると、ほら、大したことないとわかったのか、楽しさが不安に打ち勝ったのか、満面の笑みで滝と戯れている。そっとその場を離れ、私はジャグジーに移動(笑)。

 

 

プエルトリコには、スペイン時代の要塞が残っており、世界遺産にも登録されている。そもそもスペインだって、もともとプエルトリコに住んでいた土着の人たちからすれば植民地支配をしていたのだけれど、歴史は「スペインがこの要塞を築いてイギリスやオランダ、海賊とどのように戦い、プエルトリコを守ってきたか」という感じで語られていた。アメリカに属することになってからも、キューバ危機などカリブ海におけるアメリカの防衛において、重要な役割を果たしていたようだ。

 

歴史はともかくも、今は凧揚げ場のようになっており、だだっ広い芝生に何もない空が広がっている。確かに凧揚げしても、何も引っかからなそう(笑)。路上ではサックスの演奏がなされ、もうそれはそれは優雅なひととき。サックスのお兄さんが、子どもが集まってきたのを見て、Let it goを吹いてくれるというサービスまで!

 

そして私といえば、プエルトリコ発祥のお酒、ピニャコラーダを昼から飲み、想像以上にアルコール度数が高くて完全に酔ってしまい、世界遺産の真ん中でスヤスヤお昼寝をしてしまった。ある意味すごい贅沢だが、まぁとにかくそれくらい治安はいい。その間、夫と息子は要塞でかくれんぼなどしていたらしい。うぉーーひさしぶりに酔った、気持ち悪い、、、

 

なお、プエルトリコには「ここがピニャコラーダ発祥のお店です」と名乗っているバーが2つある。そして、どちらも正しい。なぜかというと、、、

 

ピニャコラーダを考えたバーテンダーが、その2つのバーで働いていたからだ。

 

と、こういうガイドをしてくれたのは、LEDライトカヌーという何とも人工的なカヌーのお兄さん。夜のカヌーなのだが、カヌーにLEDライトがいっぱいつけられていて、まるで蛍がカヌーによってきているような、、、いや、明らかに蛍ではなくLEDライトですな。(笑)

 

息子は、ライトをあてると光るクレヨンでインディアンっぽく顔をデコレーションし、お兄さんが「これあげるよ」とくれたやはりLEDライトで光る剣を手にして大満足。特に、最後にツアー参加者でカヌーの競争をしたのだが、暗いし視野もそんなに広くないので、自分たちが1位になったと思いこんでいた息子は、誇らしげであった(多分実際は4位くらい?)。

 

プエルトリコの旧市街といわれるところは、カラフルでかわいい街並み。私のプエルトリコ人の友人によれば、トローリーに無料で乗れてラクラク観光♪という話だったが、トローリーが走っているのは一度も見なかった(笑)。やたらハイチのお土産が売っていたり謎も多かったが、「外国にきたぞ!」という感じがして、そして街中のクリスマスデコレーションが商業的というより信心深い感じがして、面白かった。

 

ご飯もおいしくって、モフォンゴというバナナ+何かメイン(チキン、ビーフ、エビなど)という伝統料理もおいしかったし、キューバの何とかっていうビーフを裂いたような料理(名前忘れちゃった)もかなりおいしかった。日本の醤油みたいな魚系の調味料があるらしく、だから日本人の口にあうのかな。ただ、夫が頼んPork Can Canというのは、堅すぎて全く食べられなかった。あまりに食べ方がわからず、そして相変わらず堅すぎるので、お皿に叩きつけてみるも「カンカン」と鳴る。ある意味名前どおり?もはや斧の音みたい。

 

ホテルのイベントはスペイン語だったが、基本的に英語はどこでも通じる。アメリカドルも使えるし、携帯電話も国内だ。が、ちょっとした違いは、本土とプエルトリコで例えばウーバーのシステムが違うそうだ。プエルトリコには競合他社のリフトがなく、競争がないからか、ガソリン代が100%運転手もち(本土は割引があるそう)、Uber Eatsの提携先からのベネフィットもない、取り分も少ない、、、と、運転手さんにはあまりいい条件ではないそうだ。

 

2020年のSuper Bowlのハーフタイムショーで、Jloがプエルトリコの国旗を掲げたことが話題になった。アメリカに住むヒスパニック、プエルトリコとアメリカの関係に問題提起をした(Born in USAを歌いながら、檻のような籠からJloの娘さんが出てきたり)。

 

コロナや大統領選で、黒人やヒスパニックの人種問題が再びスポットを浴びる一方、プエルトリコの独立問題は、コロナによる観光客の激減、アメリカ経済の低迷とともに下火になっている。一度観光で行っただけだけれど、一度でも行ったからこそ、他人ごとな気がしない。現実的には、プエルトリコがアメリカから独立するというのは相当難しいと思うが、プエルトリコ人が、ジャグジーにつかなりながら誇りを持って故郷のことを語れる自由があるといいなと思う。