ワーママのアメリカと日本の子育て

弁護士の子育てサバイバル日記

帰国子女になる方法

我が息子は、渡米時3才で全く英語は話せず、夜のおむつが取れたくらいの年齢だった。が、現在、私が日本語で質問しても英語で返ってくる、チーズピザ(チーズ以外何ものっていないただただオイリーなピザ)が大好きなアメリカンボーイに変化した。この前、息子が「みりん」と言うので、急に何で日本料理に興味が!?と思ったら、「meeting」のことだった。発音良すぎてわからない(笑)。

 

初めの6ヶ月くらいは、「子どもって英語でも何でもすぐ吸収して喋れるようになるのよ」と言っている人たちに殺意(?大げさかな笑)を覚えるほど、全く英語は話せるようにならなかった。むしろ日本語も話せなくなってきていて、英語も日本語もだめで、どもることも多かった。

 

何かを伝えたいんだろうけど、結局うまく言えない、というのが見ていてもわかりとても可哀想で、プリスクールでも、自分がやりたいことを言えず、ひとりで車で遊んでいる様子を見て、何とかしてあげたいけどどうすればいいかわからず、心苦しかった。

 

それでも6ヶ月を過ぎたくらいから、少しずつ話せるようになってきた。ただ、一文の中に英語と日本語が混ざっていて、何が日本語で何が英語なのかは、あまりわかっていないようだった。あと、新しい単語は全部英語で入ってくるので、英語ではdirtyと言えても、日本語では「汚い」ではなく「ばっちっち」のままになっていた。1から10までは日本語でも英語でも数えられるものの、11以降は英語でしか数えられない。

 

それが1年経った最近では、日本語と英語が違う言語であることをわかってきたようだ。さらにプリスクールのお友だちの影響で、スペイン語もちょっと話すようになった。うらやましいくらいネイティブの発音で、ちょっとした言い回しもすごく自然。"Let me tell you something"と言ってから話を始めたときはびっくりした(なお、必ず"What is it?"と聞き返さないと怒られる笑)。

 

我が家のネイティブスピーカーさんは、もはや私の日本語英語の発音も直してくる。「Bill」という名前の職員さんがプリスクールにいるのだが、私が「ビル」というと、「No! It's BILL!!!!」と直された。日本人はRの発音が苦手でLになりがち、とよく言われるが、Lの発音も実は苦手なんだとわかった笑。

 

最近はジェスチャーもアメリカ人で、バスケの試合見ながら、選手がシュートを外すと「Come oooooooon!!」と両手を大げさに広げて落胆し、「What a heck!!」とつぶやく。優雅なお辞儀なんかはせず、挨拶はハグ。

 

しまいには、イチロー選手の引退のニュースを見て「ぅいてぃろぅ」と言い始め、日本語もアメリカ人の日本語みたいになってきている、、、寿司も、「寿司」ではなく「Sushi」と発音している。なので、家では「あいうえお」の絵本や日本の絵本を読み聞かせるようにしている(英語の絵本って、4歳児向けでも意外に知らない単語多くって、結構難しいということもあり笑)。

 

とはいえ、同じプリスクールに通っていた、卒業式後すぐに帰国したハーバード生の子どもとビデオ電話したところ、その子は帰国後たった1ヶ月でほとんど英語を忘れてしまったようで、ひたすら興奮して息子の名前を叫び続けるだけだった。言語習得の奥深さというか、いやぁこんな苦労してこんなもんなのか、と驚愕した。

 

帰国子女の友人によれば、ちゃんと英語を身に付けてから帰国するには、アルファベットを習って読めるようになってからの方がいいそうだ。言語脳は3才までに完成するとか、できるだけ早い方がいいとか、色々都市伝説はあるが、息子を見ていて、確かにある程度年齢が高くないと言語として身につかないかもしれない、と思った(発音は小さい方がいいかもですが)。

 

とうわけで、結局日本語と英語の間でどうしたらいいかよくわからないので、とりあえず英語はプリスクールにお任せし、家では日本語を話し続ける、という私にとって一番楽な方法に落ち着いている。