ワーママのアメリカと日本の子育て

弁護士の子育てサバイバル日記

NY barという苦行~その2

我が家は未だに息子と添い寝しているため、司法試験のためとはいえ一人でホテルに泊まり、クィーンズベッドを独り占めできるのは、かなり快適だった(ついでに夫のいびきからも逃れられた笑)。そしてボストンの我が家は古すぎてエアコンがついていないので、この灼熱の中、エアコン付きの部屋にいられるだけでもありがたかった。

 

というわけで、司法試験一日目の朝は、緊張しつつもちょっと得した気分で、とはいえホテルの朝食の簡潔さに驚愕しつつ(甘過ぎるマフィンとシリアルだけだった)、試験会場に向かった。

 

朝8時頃の道路は受験生だらけ。特殊な規則により、会場にはカバンを持ち込めず、透明なジップロックに鉛筆などを入れないといけないのだが、この時間帯、右を見ても左を見ても、ジップロックだらけ。ビジネスマンは全く見当たらない。Albanyにとって、NY barは一大イベントなのだろう。。。もはや、NY barなかったら経済大丈夫なのかなっていうくらい。

 

そして会場に着くと荷物チェック待ちの長蛇の列が出来ており、まぁでも淡々とくぐり抜け、指定された座席に座った。すると、スタッフが近づいてきて、一枚ジャケットを脱げという。

 

アメリカはどこも建物内は寒すぎるくらい冷房がきいている(但し我が家のある古い寮を除く)。なので私は、パーカーだけでなく、ユニクロ様のウルトラライトダウンを着ていた。これは過去に受験していた友人から、必須アイテムとして指定されていたものだった。

 

が、そのウルトラライトダウンを脱げという。規則によれば、ジャケットは1枚までだという。「それに、外はこんなに暑いのよ。2枚もいらないでしょ。」・・・いやいや、外の気温関係ないから!今いるこの建物の中が寒すぎだから!!

 

というわけで、せっかく万全の体制で2枚着ていったのに、結局凍えながらの受験。隣りの人も何か変な人で、3時間の試験で途中4回もトイレに行っていた。余裕すぎるのか何なのかよくわからないし、別にトイレ行くのはいいんですけど、机をそんなに揺らさないで・・・笑

 

まわりを見渡すと、半分くらい中国人。友人も、It's not NY bar, it's Chinese bar!と言っていた笑 しかも彼らは余裕綽々で、試験会場を途中退出していた。私は1秒も余裕なかったので、世界レベル(or Chinese standard)を見せ付けられ、のんのんしていた。

 

ついでに、同じハーバードの金持ち中国人は、1泊400ドルするMarriottのスイートにご宿泊なさっていた。中国すごい。

 

試験会場の雰囲気は、日本の雰囲気とは全く違ってめちゃめちゃフレンドリーで拍子抜けした。最初のinstructionも、堅苦しい言葉ではなくWelcome to Albany!!で始まり、ディズニーランドかと思ったくらいだ笑 試験後の答案回収も、会場内でコンペみたいになり、私がいた2階のフロアは1階よりも早く終わって、We won the competition!!とスタッフの方も楽しくやっていた。

 

所々に立っているスタッフも、「緊張しないで」とか「ここまでくれば合格したようなもの」などと気さくに声をかけてくれる。そして締めくくりは「This is the only place that I can say I hope I will never see you again!!」(もうあなたに会うことはありませんように、と言える唯一の場所がここです)。会場はどっと笑いに包まれた。あーーーー終わった!!!

 

が、もちろんそれでは終わらない。まずはホテルに荷物を取りに戻り、同じ宿泊者でNY barを受けていた人たちとお互いを労った。若いジャマイカ人の学生は、親も一緒に宿泊してサポートしており、すごい期待を背負っているのだなぁとしみじみした。そういえば、会場にも、親や恋人(?)と思われる人が昼休みに差し入れを持ってきているのをたくさん目撃した。受験というのは、受験生だけのものではない。

 

ハーバードの友人とご飯を食べた後、愛する家族がいるボストンへ帰るべくバスに乗ったところ、バスが出発しない。乗客も運転手もみんな座っているのに、出発しない。何で出発しないのかわからないまま1時間。

 

ようやく出発したのだが、今度はエアコンが壊れたという。夜になっていたので、まぁ我慢できないほどではないが、何か今回受験はことごとくエアコンについてなかったなぁ。家にはエアコンがなく、寮の中で唯一エアコンのあるstudy roomで勉強していたら試験一週間前に壊れ、試験会場は逆にエアコン効きすぎで、今度はバスのエアコンが壊れた。

 

よくわからないのだが、日本と違って電車やバスの中で大声で電話するのは平気みたいなのに(行きのバスがそうだった)、エアコンが壊れて少し変な音が鳴っているのは全く許せないらしく、帰りのバスでは乗客が運転手のところに何度もクレームを言っていた。そのクレームや何度も行ったり来たりしている音の方がよっぽど気になるのですが、、、全然眠れない。。。それに、運転手さんも、クレーム対応ももちろん大切ですがもうちょっと運転集中してください、、、

 

そして色々わかってきたことは、そもそもの出発1時間遅れは、「もうすぐ着くから待ってくれ」と電話した乗客がいたらしく、その人が結局1時間現れなかったらしい。フライトとか、1分でも遅れると飛行機に乗せてくれない国なのに、1時間も待つなんてどんなVIPなんだろうと思ったら、座席を2人分使って足を伸ばし、ずっと携帯ゲームをやっている女性だった。。。

 

そんなこんなでボストンに着いたのは午前2時。Lyftってこんな時間もやっているんだと感謝しながら、どっと疲れて帰宅した。

 

NY barが終わったらあんなこともしたい、こんなこともしたい、と色々考えていたのに、いざ終わってみると何をしたらいいかわからない(笑)。とりあえず家族への感謝をこめて毎食頑張って料理を作っている。そしてなぜか、夫が風邪をひいて熱を出した。この2ヶ月の疲れが出たそうだ(笑)