ワーママのアメリカと日本の子育て

弁護士の子育てサバイバル日記

アメリカの法律事務所

私は今、ご縁があってアメリカの法律事務所で働いているが、とにかくセレブな感じの大きな法律事務所だ。まるで飛行機のファーストクラスに乗っている気分で、メンバーというだけでVIP対応が待っており、周りの人もいい人ばかりだ。

 

日本の法律事務所と比較してびっくりしたのは、研修や所内での知識の共有にすごくお金をかけていること。ほぼ毎日のようにランチセミナーがあり(その名のとおりランチ付き)、特に1年生に向けた内容が多い。若いアソシエイトが発表することもあり、こうやって元々プレゼン上手い人たちがさらに上手くなっていくんだなぁ、という感じがした。アソシエイトでもパートナーの風格あるし、こう堂々としているのはさすが。

 

新人研修も大規模で、全米に広がる各拠点の新人が、シカゴに全員集合して行われる。こうやって顔をあわせることで一体感とネットワークを構築する。自分の経験を振り返ってみても、同期というのは大変大変心強い財産だ。

 

他方、新人のほとんどは(多少職務経験もある人もいるが)ロースクール出たて=若くてピチピチなので、どんなに有名なパートナーが話していようが、グループワーク中だろうが、まぁもうどんな時でも携帯を離さない。私の隣の女の子なんかは、急に自撮りしたかと思ったらその写真を使って着せ替えし始めた。どうやら洋服の試着をバーチャルにやっているらしい。最終的には、仕事にはさすがに着てこないよね?っていう感じの赤いミニスカをご購入なさった。。。なお、このネットショッピング中、本人はハイヒール脱ぎ捨ててセミナー中とは思えないほどリラックスして席にお座りになっていた。

 

とにかく大きな事務所なので、全員と知り合うのは不可能なのだが、事務所主催でinternalなネットワーキングイベントがあったりして、コミュニティを構築するのにお金をかけている。抽選で商品があたったりするのだが、こういうときは大体バスケや野球、アメリカンフットボールのチケット。事務所が太っ腹だなーーと思うのは、2枚じゃなくて4枚くれること。みんなで仲良く行ってね!という趣旨らしい。

 

事務所が入っているジムもタダで使えるので、私はヨガのクラスに通っている。私以外はみなさんスタッフの方で、和気あいあいとご一緒させていただいている(弁護士は忙しすぎるのだろうか、、、私以外は(笑))。が、事務所の業務委託先の切り替えに伴い、ヨガの先生が契約解消になってしまうということで、彼女たちは「事務所に話をつけてあげる」と声高に宣言し、仕事を失ったヨガの先生を新しい委託先に転職させ、今までどおりヨガのレッスンを継続できるよう交渉した。すごい。すごすぎる。私は、こんなにガッツがあって人情味のあるスタッフの方々が大好きだ(弁護士でなくてもスタッフが結構強いのもアメリカの法律事務所の特徴?)。

 

プロボノにも力を入れていて、退役軍人へのサポートなどがあるのはいかにもアメリカ。私が手伝わせていただいたのは無料法律相談で、今まで行ったことがないそして自分からは絶対に行かない、South Sideとよばれるシカゴ筆頭の治安悪い場所に行かなければならなかった。だが、クライアントは「今まで何にでもケチャップつけてたんだけどね、最近はバーベキューソースなのよ。パスタでもチキンでも何でも。何でかしらね。」と話す愉快な方だった。それはケチャップ食べ過ぎて飽きちゃったんでしょうね…と言いながら、内心ほっとしていた。

 

私は一年の契約なので、このファーストクラスのフライトがいずれ終わることはわかっている。少ない残り期間を、めいっぱい楽しみたい!ので、シカゴよ、早くあったかくなってくれーーーー!!